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![](http://bfile.shinobi.jp/1021/menukiiro.png)
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注意!
軽く下ネタです。年齢制限はつかない程度&下というほどでもないですが、セクハラ認定されるくらいには下品です。
ゴメンなさい。
ルーウェンやハレッシュ、クライスに夢を持ってる方は逃げてください。
そのイメージを木っ端微塵にぶち壊す自信だけはあります。
何を読んでも引いたりしないわって方だけどうぞ。
+++紳士の社交場+++
グラッケンブルグにあるとある酒場に3人はいた。
クライスは周りを見渡し小さくため息をつき、ルーウェンは面白そうに目を細める。
そんな二人の対象的な態度に、彼らをここへ誘った張本人は少し照れ臭そうに頬を掻いた。
「うちの店じゃ、フレアとマリーが居て落ち着かないだろう」
「この手の店もたまには悪くないさ」
言い訳のような言葉に、ルーウェンがニヤリと笑う。
長い冒険者生活は色々な意味で彼を大人にしていたらしい。
「私はべつに、あちらで問題はありませんでしたが。そもそも私がなぜ、あなた方に付き合わねばならないのです」
ひどく不満そうなクライスに、二人はそっと目を見合わせた。
彼らがいるのは普段出入りしている冒険者の集まる酒場ではない。
街の男達が好んで訪れるような酒場だ。
店の角で楽士が客の邪魔にならない程度に演奏し、店内のあちらこちらで男達が談笑している。
客は見事に男ばかりだが、店に殺伐としたところはない。
むしろ店内は華やかだった。
なぜなら店の人間は全て、着飾った女性達だからだ。
まあ、つまり、ここはキレイなお姉さんが居て元気の出る(男性限定)店ってやつである。
平静を装っているが、その手のことに奥手のクライスが場慣れなんぞしているわけがない。
内心で酷く動揺している姿に、ルーウェンとハレッシュはそっと笑いを噛み殺した。
この手の店は1テーブルに1人、女性が付く事になっている。
断る事も可能だが、男3人だけで飲んでいたら間違いなく変な目で見られるだろう。
旅人のお前達はいいが、ここに住んでる俺が困るからと、先にクライスの逃げ道を封じる。
因みに、ハレッシュとルーウェンには最初から断る気などさらさらない。
テーブルにやって来たのはブルネットの髪をきれいに纏めた女性だった。
少しキツイ顔をしているが美人と言えなくもない。
彼女はさっと顔触れを見渡し、さっさとクライスとルーウェンの間に席をとった。
本来の客層に1番近いクライスの横を取るのは予想済みだったが、まさか一応、街の男となったハレッシュを差し置いて、どこをどう見ても冒険者にしか見えないルーウェンの横を選ぶとは思わなかった。
モテる方ではないのは自覚しているが、やはりここまであからさまだと多少寂しい。
童顔二人組にほんの少しだけ怨みがましい視線を送ると、ルーウェンは小さく肩を竦めてみせ、クライスは無反応だった。
たぶんハレッシュの視線にも内心にも気付いていない。
むしろ馬蹄形の椅子の端、ハレッシュかルーウェンの横に座ると思っていたらしく困惑顔だ。
そんな男達の悲喜こもごもの反応を華麗に流して、女性は何事もなかったように飲み物を男達に勧めるのだった。
うまくすれば固定客になると思ってか、最初こそしきりとクライスに声をかけていた女性だったが、クライスのあまりにケンもホロロな返答に早々に匙を投げる。
本来なら機嫌を損ねてしまいそうな状況ではあるが、ルーウェンの絶妙なフォローとハレッシュの気持ちのいい人柄のおかげで、約1名を除いてそれなりに楽しく盛り上がっていた。
その約1名は早々にハレッシュと場所を替り、素知らぬ顔で本を読んでいたりする。
どこをどう見ても完全なお付き合いで引っ張られてきたのが見え見えである。
店の人間達はちらりと見て、変な客だという顔をするが、それ以上何も言いはしない。
付き合いでも楽しめばいいのにと思わなくもないが、本人がそれでいいなら文句を言う筋合いはないのだ。金さえ払って貰えば、どんな経緯や事情で店に来ようと関係ない。
だが、さすがに同じテーブルにいると気にはなるらしい。
「もしかして、女に興味がないって人種なの?」
こそっと耳打ちされて、ルーウェンは盛大に吹き出す。
あまりの事にむせ返りながら、どうにか手だけでも否定しようと振る。
「興味がないわけではないんだけどな…」
ハレッシュが苦笑を浮かべると、なんとか立ち直ったルーウェンが涙を拭きながら頷く。
「ちょっと難しい奴なんだよ。そっちの系統の人間じゃない」
「ふ~ん」
かなり疑わしそうな目つきの女に、はてさてどう説明したものかとハレッシュとルーウェンは目だけで相談しあう。
自分の容姿に自信があり、店でも人気がある事を自覚している女性は、まるで自分に興味を示さない男が居る事実を受け入れ難い傾向がある。
男達が迷っている間に、彼女はさっさとその判定を自分でする事に決めたようだ。
「ねぇ。せっかく来たんだから、遊んでいきなさいよ。どんな娘が好みなの?言ってくれれば、特別にもう一人、ここに呼んでもいいわよ」
にっこりと数多の客を篭絡させてきた微笑を向ける。
突然かけられた声に、クライスは不愉快そうに本から顔を上げた。
そして文句を言おうと口を開いた瞬間、その言葉は女性の両脇から聞こえた二つの声でかき消される。
「ボイン!」
「巨乳!」
微妙に言葉は違えど、同じ意味の言葉にクライスは呆気どられ、女は冷たい目で両脇の男共を交互に見遣る。
「あんた達には聞いてないわ」
「俺達の好みじゃないって。アイツの好み。オレは大きさよりも形の方が重要だから」
ルーウェンが恥ずかしげもなく、どきっぱりと言い切る。
「なっ…。か、勝手なことを?!」
いきなり自分に振られた事に気づき慌てるクライスの肩をハレッシュがなだめるように叩く。
「だって、お前、好きだろう。おっぱい」
「し、し、失礼な…。べつに私は…」
「隠すな。隠すな。男なら誰だってそんなもんだって」
「あ、あなたと一緒にしないで下さいっ」
「はははっ。俺はべつに胸で惚れたわけじゃないぞ。なにせフレアは美人だし、気立てもいいし…」
「人に変な言いがかりをつけて、惚気る気ですか?!そんなに好きなら、こんな店に来る必要などないでしょう」
手をきつく握り締めて怒りに身を震わせるクライスに、ルーウェンは大きく首を振った。
「そりゃ、違うぜ。いいか、クライス。それはそれ、これはこれだ。大好物だけでなく、他のも味わいたい。それが男というものだ」
ザールブルグの女性陣に聞かれたら、当分街に入れてもらえそうにない事を真顔で言い切る。
しかも言い聞かせモードに入っているところをみると、かなり本気で発言している。
こんな所で大真面目にそんな説教をされている自分を省みて、クライスはなんだか無性に切なくなるのだった。
「で、クライス。さっきの答えだけど、間違ってないよな?」
「さっきの答え?」
「好きな女の話さ。胸、デカイよな?」
クライスがショックから立ち直る前にルーウェンが畳み掛けるように聞く。
さりげなく好きなタイプから好きな女と言い換えているあたり、かなり策士である。
すでにいっぱいいっぱいでその策にのせられている事に気づけないクライスは首筋までボンッと一気に赤くなる。
何を想像した手に取るようにわかると言うものだ。
「ですから…べつに…私があの人が好きなのは、胸が大きいとかそういったことではなく…」
「うん?あの人って誰だよ。お前、誰か好きなヤツがいるのか?」
全部わかっていながら、ルーウェンは意地悪く聞き返す。
自分の失言に気付き、さらに慌てて弁明を口にするクライスを見て、女は盛大にため息をついた。
「つまり、胸の大きなべた惚れの女がいて、他が目に入らないってわけね」
「ははは。ま、そういうことだ」
ルーウェンにからかわれて必死になっているクライスの耳にはハレッシュと女の会話は入らない。
数日前、たまには他の人間ときちんと交流すべきだなどとマリーに言われ、つい二人に付いてきてしまったことをクライスは深く深く後悔するのだった。
++++++++++++++++++++++++++
クライスは巨乳好き。
ただそれを誰かに言わせたかっただけです。
べつに本当に彼が巨乳好きかどうかはまた別問題ですよー。
ステキSSに心躍らせて乱入の月でございます。
こ、このメンバーでおねーさん付き酒場に繰り出すとは!オトコってしょーがないねえっと思いつつ、密かにときめいてしまいました(笑)
おねーさんの陣取った位置がルークラ間というのが、良いですね~。じゃあ私は遠慮なくハレッシュの隣りへ!!(電波発言)
そして、後半の会話の楽しいことったら!
ニヤニヤが止まりませんでした。
「好きな女の話さ。胸、デカイよな?」byルー
の言い回しの変化にはヒッヒッヒとなりましたよーっ
酒場のおねーさんになって、現場に居合わせたかったです。
夏の暴走第2弾に感想をくださるなんて、神さまのようです!
ぜひぜひ、ハレッシュの隣へどうぞ。
ルー兄とハレッシュの旦那とお酒を飲むと、かなりノリノリで面白いんじゃないかと思います。
それにしても、本当、オトコってしょうがないですよね。
特にルー兄、本能のままに発言してますよ。
(自分が書いたのに他人事のように言ってみる)
実は後半は書いててすっごく楽しかったです。
あの会話を書きたいばかりに、お姉ちゃんのいる店に行ってもらったくらいですからっ(笑)
おっぱい星人が闊歩しているようなお話にコメントありがとうございました。