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![](http://bfile.shinobi.jp/1021/menukiiro.png)
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GW後半を休みたいので、ただいま脳力(誤字にあらず)の9割を仕事へ回しています。
その為、今月の更新は出来そうもありません。
不甲斐ない管理人ですみません。
お詫びに短いですが、小話を投下しておきます。
5月末に今のプロジェクトが一応の幕引きがなされるので、それ以降は落ち着くかと思います。
本当にごめんなさい。
+++睫毛+++
「アカデミーはちょっとした騒ぎになっていましたよ」
マリーの前にミスティカティーを置きながら、エリーが悪戯っぽく笑う。
「へぇ。何かあったの?」
「クライスさんが、染粉のレシピを教えて欲しいって生徒から言われて断ったんですよ」
相変わらず噂に疎い先輩に、エリーが事の経緯を説明してやる。
簡単に言えば、あまりに頻繁に染粉のレシピを聞かれるので、クライスがうんざりして自分の髪が地毛であることを公表したのだ。だから染粉の事は他へ聞けと丸投げしたのである。
「みんな、あの髪は染めていると思っていたみたいですよ。気持ちはわかりますけど」
「へ?」
エリーの言葉に、マリーが口をあんぐりと開ける。
何故そんな事が騒ぎになるのか理解出来ない、そうはっきりと顔に書かれているのを見て、エリーはそっと苦笑した。
クライスが意外と女生徒に人気がある事をこの機会に教えようと口を開きかけたエリーの口は、予想の斜め上を行くマリーの言葉に動きを止められた。
「なんで?どこをどう見ても、あれは地毛じゃない。なんで染めているなんて思うかなぁ」
信じられない、と目を真ん丸に見開いている先輩を、エリーは呆然と眺めた。
この場にルーウェンがいたなら、驚く所はそこなんだな、と素早くツッコミを入れただろう。
驚くポイントがズレているとしか言いようがない。
だいたい、あの髪の何処をどう見れば地毛だと言い切れるのか、そっちの方が知りたいくらいである。
普通の感性なら、染めていると考えてもムリはないと思う。
「…珍しい色ですから」
それでもなんとかごく一般的な人間の思考を理解して貰おうと言葉を捻りだすと、マリーが呆れたように首を振る。
「だからって…睫毛を見ればわかるじゃない。そりゃあ、髪よりは少し暗めだけどさ。でも、おんなじ色だよ。眉までは染められるけど、睫毛は染められないでしょう」
マリーにしては理路整然とした答えに、思わず「なるほど」と唸ってしまう。
「ええっ?!まさか、エリーも染めてると思っていたの。あいつの睫毛、ムダに長いから目立つじゃない。なんで気付かないの」
愕然とするマリーを前に、エリーは途方に暮れた。
マリーの言う事は確かに一理ある。
だが、自己弁護するわけではないが、エリーにも言い分がある。
人の睫毛を見ようと思ったら、それなりの距離でマジマジと見なくてはならなくなる。
かなり不躾な視線になるだろう。
それをクライス相手にしろ、と言うのは酷すぎる。
しかもクライスは眼鏡までかけているのだ。
レンズ越しで睫毛の色を見るのはかなり難しい。
色どころか長いか短いかすら、見極めるのは至難の技だ。
眼鏡の奥の瞳を覗き込むなんて、そんな虎の尾を踏むどころか、掴んで振り回すような命知らずな所業を誰がやると言うのだろうか。
やれと言われても、普通なら全力で拒否する。
そんな事が出来るのはマリーさんだけです、と言う言葉を何とか飲み込み、どう説明すればこの先輩は理解してくれるだろうか、とエリーは頭を悩ませるのだった。
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こんな事を書いていますが、実は真正面からでなく斜め後ろからならば、相手に視線を感知される事なく他人の睫毛をしっかりと見る事ができたりします。
まあ、第三者から見れば不審者ですけどね。
クライスならば、斜め後ろに立たれただけでも気づいて睨んできそうです。やはりマリーにしか確認できないような。
一瞬、タイトルに「睫毛」とちゃんと書いてあるのに、別なものを想像した自分をちょっと反省してきます。
言われてみれば確かに、クライスなら気づきそうですよね。
「なぜその様な所につっ立ているのです」
睨まれた挙句、嫌味まで言われてしまいそうです(あわわ)
他のものって、すね毛とか胸毛とかですか?(笑)
クライスは着こんでますからねぇ、難しいと思いますよ。
男の人はヒゲが生えるから、そこからでも確認はとれそうですよね。
な~んて、本当はもっと違うものを想像したけれど、敢えてボケをかましてみたりして。
大人の階段を悪い方へ駆け上がっちゃダメですよぉ。
そんな間違った大人は管理人だけで充分ですから。
そんな笑えるネタを振られたら、悪ノリしてしまいますからね。
その手もあったか、とか言い出しかねません(自制、自制)
タイトルは「まつ毛」ですよ「まつ毛」
思わずニヤリとしてしまうコメントをありがとうございました。
秋生