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2010/11/19 (Fri)
小話
いつもお越しくださり、ありがとうございます。
リハビリを兼ねてとても短い話を一つ。
クラxマリというよりマリxクラ?
楽しんでいただければ幸いです。
リハビリを兼ねてとても短い話を一つ。
クラxマリというよりマリxクラ?
楽しんでいただければ幸いです。
+無計画+
ふと手を止めて、長椅子に陣取る人を見やれば、調合を始める前から寸分変わらぬ姿勢のまま。
膝に広げられた本もそのままに、微動だにしない。
ふと手を止めて、長椅子に陣取る人を見やれば、調合を始める前から寸分変わらぬ姿勢のまま。
膝に広げられた本もそのままに、微動だにしない。
そう…微動だに…。
そこで気付いて、マリーはそっと立ち上がった。
音をたてぬように近づき、長椅子の住人と対峙するようにしゃがむ。
文字を追うはずなキレイな色の瞳は瞼に隠され、規則正しい呼吸が聞こえてきた。
なるほど、これでは本のページを操る事が出来ないハズだ。
こぼれそうになった笑みは、けれど眉間に刻まれた深い縦ジワのせいで小さなため息へと変わる。
夢の中まで怒っているのか、と呆れてそっと手を伸ばす。
このまま勢いよく人差し指で額を突くべきか、それとも軽く指で弾くべきか。
軽い逡巡の後、やはりここは日頃の恨みを込めて突くべきよね、とニヤリと人の悪い笑みを浮かべた。
指は額を突く・・・ハズだったのに、伸ばした手は青銀色の前髪をさらりと撫で、眉間に刻まれた皺には、指先ではなく唇が軽く触れて離れる。
予定変更になったのはきっと、実行直前に浮かべた悲しげな表情のせい。
ゆっくりと開いていく瞳を見ながら、調合台の失敗作を処分しておくべきだった、と悔やんでも時は既に遅し。
そこで気付いて、マリーはそっと立ち上がった。
音をたてぬように近づき、長椅子の住人と対峙するようにしゃがむ。
文字を追うはずなキレイな色の瞳は瞼に隠され、規則正しい呼吸が聞こえてきた。
なるほど、これでは本のページを操る事が出来ないハズだ。
こぼれそうになった笑みは、けれど眉間に刻まれた深い縦ジワのせいで小さなため息へと変わる。
夢の中まで怒っているのか、と呆れてそっと手を伸ばす。
このまま勢いよく人差し指で額を突くべきか、それとも軽く指で弾くべきか。
軽い逡巡の後、やはりここは日頃の恨みを込めて突くべきよね、とニヤリと人の悪い笑みを浮かべた。
指は額を突く・・・ハズだったのに、伸ばした手は青銀色の前髪をさらりと撫で、眉間に刻まれた皺には、指先ではなく唇が軽く触れて離れる。
予定変更になったのはきっと、実行直前に浮かべた悲しげな表情のせい。
ゆっくりと開いていく瞳を見ながら、調合台の失敗作を処分しておくべきだった、と悔やんでも時は既に遅し。
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