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秋生のなんでもない日常の出来事
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2006/09/03 (Sun)

久しぶりに泳いだら、もの凄い睡魔に襲われています。
でも気持ち良かった~♪

本当はサイトにUPしようと思っていたのですが、眠くてメンドーに・・・前に書いた作品と流れとオチがあまりに同じなのでこちらに投下。

「空翔ける光」後日談。
ダグラス救済話を書くはずが、なぜか更なる不幸に…。
ダグラス受難話第○弾になってしまいました。

どこで間違えたんだろう。
もしかして、コンセプトからして間違ってた?
ダグラス・・・・ゴメン。

管理人、これでもダグラスが好きなんです。本当です。
ダグラスに愛はあるのに、ベクトルが間違ってるせいでこんな事に。
ダグラスファンの方々、申し訳ありません(平伏)

とりあえず、夏物はこれで終了です。
さて、そろそろシリーズの方も書かないとね(遠い目)


◇◇◇ 理由 ◇◇◇



「おっ、今回もかはりへばってるみたいだな」

カウンターに突っ伏すようにして座っているダグラスの横に、ルーウェンが声をかけて腰掛ける。

「毎度、毎度、おまえも懲りないよなぁ。今回はどうした?」

人好きのする笑顔は相手の警戒心を解くには充分だったが、ダグラスは無感動に一瞥しただけだった。

「アハハ。今回は随分と消耗してるみたいだねー」

いつもならこれをきっかけに、あいつらはなんなんだ!と、机を叩いて訴える年若い騎士の生気のない反応に、ルーウェンの肩越しに覗きこんだミューが笑う。

「うるせー」

ボソッと反論すると、ルーウェンがあやす様にダグラスの頭を2、3回ポンポンと叩く。

「あいつらと行くと、おまえ、ほんと、ロクな目に合わないな」

「それが判ってて護衛を引き受けるなんて、ダグラスも物好きだよねぇ。
嫌なら断ればいいじゃない。なんで引き受けてるの?
もしかして、なんだかんだ言いつつ、ダグラス、あの二人にいじめられるの好きー?」

同情しているのか、楽しんでいるのかわからない口調のミューを睨みつける。

「好きなわけあるかっ!引き受けた後、もう一人の護衛があいつに決まるんだ!
そう言うてめぇらだって、あの二人とよく街の外に出てるじゃねぇか」

「そりゃ、まあ、そうなんだけどな」

「オメェらこそ、なんで護衛を引き受けてるんだよ」

ふて腐れたような言葉に、ルーウェンとミューは苦笑を浮かべて顔を見合わせる。

「そりゃあ、なぁ」

「うん。だよねー」

「あ?なんだよ。はっきり言えよ」

煮えきらない態度に、ダグラスは切れた。
沸点低すぎーと茶々を入れるミューを睨みつける。
そんなダグラスの肩を軽く押さえ、ルーウェンはキッパリと言い切った。

「金の為だ」

「え?」

思いもかけない言葉に、目を見開くダグラスに、噛んで含めるように言う。

「人間、食わなきゃならないって事だよ」

口をぽかーんと開けてルーウェンをマジマジと見た後、言葉の意味が染みこんできたのだろう。
一瞬、むっとした顔をしたがすぐにひどく気まり悪そうな表情に取って代わられ、更に、苦し気に顔を歪めた。
わかりやすい。
わかりやす過ぎる。
そんな理由で仕事を受ける事に驚いた後、あまりに殺伐とした理由に腹を立てたのだ。
けれどすぐに、ルーウェン達がそれを生業にしている事を思い当たり、仕方がないと言うより、当然の事なのだと納得したのだ。
一瞬でも腹をたててしまった事を恥じたあげく、同じ護衛をする身でありながら、自分には本職があり、生活がかかってるわけではない事実が、ひどく心苦しいと言ったところだろう。

普段の尊大な態度からは信じられないほどしょんぼりと、自責の念にかられる青年を前に、ルーウェンは耐え切れずに吹き出し、そのまま体を二つ折りにして笑い転げた。
ダグラスが戸惑っているのはわかるが、笑いが止まらず説明が出来ない。

「…そんなワケないじゃん」

ルーウェンの横で必死で笑いを噛み殺していたミューも、それだけ言って笑い出す。

「な、なんなんだよっ」

喚くダグラスに、ルーウェンが笑いすぎで息も絶え絶えに答える。

「駆け出しの頃じゃあるまいし、仕事を選べないわけないだろう」

「はあ?」

「マリーの護衛は、面白いからねー」

笑いすぎて出て来た涙を拭いながら、ミューが言い添えれば、今度こそ事態を正しく把握したダグラスが真っ赤になる。

「てめぇら…からかいやがったな!」

年長の冒険者相手に、ギャンギャンと噛み付く聖騎士の姿に、ディオはやれやれと肩を竦めた。
あの二人にからかわれているようじゃ、当分はマリー達に振り回される事になるだろう。
生真面目な聖騎士の受難は、まだまだ続きそうだ。

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